あんぱいの意味を知っていますか?
あんぱいの意味は野球でも使われていますが、あんぱいはもはや死語なのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。
近頃、あんぱいは若者言葉といわれる言葉の一部となり、あんぱいの意味は高校生を中心とした若い世代に余裕・楽勝として使われているようです。
昔の使い方と違いがありますね。
この記事では、あんぱいの意味を簡単に説明し、昔使っていたあんぱいの意味が今の高校生や若年層と比べてどう違うのか、またあんぱいの由来や今と昔のあんぱいの例文を載せています。
あんぱいの意味を簡単に説明!高校生と昔の使い方は違う?
あんぱいの意味を簡単に説明しますと、
- 無難である
- 安全な選択
- リスクが少ない様子
- 当たり障りのない
といったところでしょうか。
麻雀用語の『安全牌(あんぜんぱい)』からきており、『安全牌』から『安パイ』と略された言葉と知っている方は、使い方や意味もだいたいおわかりになるのではないでしょうか。
けれども今の高校生を中心とした若年層は、SNS等で『あんぱい』とひらがなで使用し、余裕や楽勝というような意味で使い、昔とではあんぱいの使い方や意味にズレがあります。
どうしてズレてしまったのでしょうか? それは若者言葉に関係がありそうです。
余裕や楽勝という意味と同じ?
今と昔とではあんぱいの使い方や意味にズレがあるといいましたが、あんぱいの意味が麻雀用語からきていることを知らない今の若い世代は、余裕や楽勝といった意味として使っています。
なぜ、あんぱいの意味が無難・安全などから、余裕や楽勝にズレてしまったのでしょうか?
あんぱいは死語ではなく、今は若者言葉といわれる言葉の一部。
若者言葉は仲間同士でコミュニケーションをとる方法として、会話のノリのよさや楽しさを大切にした “ことば遊び” のようなものです。
若者言葉は、
- 元々ある言葉を短くして使いやすくする
- 早く伝えられる
- 同じ年代だからこそ分かり合える
- 言葉の響きや雰囲気で使われている
のような特徴があります。
若者言葉は本来の意味や由来を知らなくても使われているので、あんぱいの元々の意味の無難・安全・リスクが少ないなどの意味から、安心というイメージになり、余裕・楽勝という意味合いに変わっていったようですね。
あんぱいの由来は?
あんぱいの由来は麻雀用語の安全牌の略語からきています。
カードゲームでカードを使うように、麻雀は牌(ぱい)と呼ばれる麻雀牌を使い4人でテーブルを囲って対戦します。ドンジャラに似たテーブルゲームです。
安全牌とは、対戦している相手に勝たれることのない“自分が捨てる牌のこと”をいいます。
言い換えますと、対戦相手の勝ちにつながらないようにする捨て牌のことです。
これが転換して、無難である・安全な選択・リスクが少ない様子・当たり障りのないという意味で使われてきました。
余談ですが他にも麻雀用語から、テンパる(パニックになる)、メンツ(顔ぶれ)、ワンチャン(チャンスあり)といった普段の会話や若者言葉として使われているものもあります。
麻雀を知らなくても言葉は知っている・使っているといった人も多いのではないでしょうか。
あんぱいの使い方や例文は?
あんぱいの使い方ですが、あんぱいは俗語(世間によく使われているくだけた言葉)ですので、目上の人と話しをする時・面接時・フォーマルな場などでは失礼にあたるため、控えた方がよいでしょう。
家族や友人など気軽な関係の人と使うのがよさそうです。
では、あんぱいの今と昔の使い方の例文を載せますので、ご参考になさってください。
♦例文昔①:「ここのたこやき美味しいよ。あっ、新メニューが出てる!チョコとマヨネーズのトッピングだって……。私、いつものソースとマヨネーズのトッピングにしておくわ。ソースとマヨネーズならあんぱいでしょ。」
→ここでの意味は、チョコとマヨネーズという未知な味にチャレンジするよりも、いつものソースとマヨネーズ味のほうが無難である・リスクが少ないといった意味合いです。
♦例文昔②:「この人が恋人ならあんぱいだね。」
→表面的には、この人が恋人なら安心・安全な人だからいいね。といいように聞こえますが、無難な人・当たり障りのない人と皮肉を言っているようなマイナスイメージで捉えられることもあるので、注意が必要です。
♦例文今①:「今日のテスト、ほぼノー勉だったけど、プリントがそのままだったからあんぱいだったわ~。」
→今日のテスト、ほとんど勉強してなかったけれど、以前配られていたプリントがそのまま出題されたから楽勝だったわ。
♦例文今②:「徹夜しててめっちゃ眠いけど、今日の授業自習ばっかりであんぱいやったわ。」
→徹夜をしてすごく眠たいけれど、今日の授業は自習学習ばかりだったから余裕で一日をやり過ごせたわ。
あんぱいは、今も昔とではすごく意味がかけ離れているわけではないので、お互いの言いたいことが少しは理解できたのではないでしょうか。
野球でもあんぱいという言葉は昔から使われています。
【例文】:Aチームのピッチャーを応援「このバッターにはこれまで三振ばかりとってきたからあんぱいだわ。」
→このバッターだったら、打たれることはないから安心できる。
→このバッターだったら、打たれることはないから余裕で観ていられる。
と今と昔の両方の意味合いで受け取ることもできますね!
くれぐれも“アンパイア”(umpire=競技における審判員)のことを略して言っているわけではありませんのでご留意ください。
あんぱいの意味を簡単に!高校生と昔の使い方は違う?のまとめ
- あんぱいの意味を簡単に説明!高校生と昔の使い方は違う?
無難である、安全な選択、リスクが少ない様子、当たり障りのないという意味。
今の高校生は、SNS等で『あんぱい』とひらがなで使用し、余裕や楽勝といった意味で使っている。
- 余裕や楽勝という意味と同じ?
響きや雰囲気から、あんぱいは無難→安心というイメージ→余裕・楽勝という意味合いに変わっていった。
- あんぱいの由来は?
麻雀用語の安全牌の略語からきている。
- あんぱいの使い方や例文は?
くだけた言葉なので仲のよい関係で使うのが望ましい。
昔は、無難な言い方の時にあんぱいを代わりに使った。
今は、余裕や楽勝の時にあんぱいを代わりに使う。
あんぱいは、ポジティブにもネガティブにも受け取ることができる言葉なので、使う際には相手を傷つけないようにしたいものですね。